「森林火災が伝える、気象と森林環境の問題点」

リサエネおじさんのつぶやき

近年、林野火災が多発し、ニュースで目にする機会が増えました。
また、里山に近い地域では、野生動物が生活圏に現れるケースも後を絶ちません。これらは別々の問題のように見えますが、実はどちらも「森との距離感」に課題があると考えています。

「なぜこんなに火災が多いのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は、これには現代日本の「気象」と「森林の現状」が深く関係しています。

株式会社リサエネは、気象やエネルギーの専門家の視点から、50年先を見据えた「森との新しい付き合い方」を提案します。

1. 冬から春、東日本を襲う「見えない乾燥」

日本の冬から春にかけて、西から吹く「偏西風」が重要な鍵を握っています。この風は日本海側から山々を越えて東日本へと吹き抜けますが、山を越える過程で水分を落とし、乾燥した空気となって関東や東日本の平野部へ到達します。

この「乾燥した風」が、手入れが行き届かず、木々が密集した森を通過するとどうなるか。

2.「密すぎる森」をほどき、火災リスクを下げる

手入れが行き届かず、木々が密集した森は、地面に光が届きません。下草が生えない森は、地表が乾燥しやすく、火種ひとつで瞬く間に延焼する「火災待機状態」にあります。

間伐(適切な手入れ)を行って森に光を入れれば、下草が生え土壌の保水力が戻ります。さらに、切り出した間伐材をエネルギーとして活用すれば、地域でエネルギーを循環させる「バイオマス活用」のサイクルが生まれます。焼失させてしまうのは、未来のエネルギーを捨てているのと同じ。私たちは森を資源として守る必要があります。

3. 「緩衝帯」が守る、人と動物の共生

野生動物が生活圏に現れるケースでは、どうすればこのリスクを下げられるのでしょうか。私たちは、森と人間の生活圏の境界に**「緩衝帯(バッファゾーン)」**を設けることを提案します。

ここには、コナラやクヌギなど、どんぐりをつける広葉樹や栗や柿など「実のなる木々」を意識的に植えていきます。 これまで「獣害」として扱われがちだった野生動物たちも、森の奥に食料が不足しているからこそ、リスクを冒して人間社会に降りてきているのです。森林の間伐で新たな土地に「実のなる木々」が豊かに育てば、動物たちはわざわざ里山へ立ち入る必要がなくなります。

「実のなる木々」は、杉や檜、カラマツの密集林よりも延焼しにくい性質があるため、**「人と動物の境界線」であると同時に、「天然の防火帯」**としても、私たちの暮らしを守ってくれるはずです。

4. 最大の矛盾:カーボンニュートラルへの投資と火災の現実

ここで皆さんに考えていただきたいことがあります。

現在、世界中で「カーボンニュートラル(脱炭素)」の実現に向け、多額の資金が投じられています。それは未来の地球を守るための大切な投資です。しかし、その一方で、手入れ不足によって森が乾燥し、火災で焼失しているという現実があることを忘れてはなりません。

木々は、長い年月をかけて空気中のCO2を吸収・固定してきた「天然の貯蔵庫」です。それが火災で燃え尽きれば、これまで蓄えてきたCO2が一気に放出されます。 「炭素を減らすために多額のお金を払う一方で、足元の森林火災で大量のCO2を放出している」。これほど「もったいない」ことはないのではないでしょうか。

50年先を見据えた「森の守り方」

私たちが目指すのは、ただ木を切るのではなく、森に光を入れ、適切な手入れを行うことで、災害に強く、野生動物と共生できる森を取り戻すことです。

  • 適正な間伐で、火災に強い森をつくる。
  • 「実のなる木」を植え、動物との心地よい境界線をつくる。
  • バイオマスとして資源を循環させ、未来のエネルギーにする。

50年後の子どもたちに、燃え尽きた山ではなく、豊かな緑とエネルギーが循環する未来を残すために。また、森は「水」にも大きな影響をもたらしている。株式会社リサエネは、気象とエネルギーの両面から、持続可能な山林管理のあり方を地域の方々と共に考え、歩んでいきます。

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