年鎬博物館

リサエネおじさんのつぶやき

福井県は三方五湖畔に2015年9月15年「年鎬博物館」を開館。過去7万年分の年鎬から地球の息吹を分析。地球温暖化対策で脱炭素を提唱される今、気象の変化について考察してみた。

年鎬とは

年鎬とは、プランクトンや鉄分など、季節によって異なるものが湖の底に毎年積もる事で、縞(しま)模様になった泥の地層のこと。

水月湖の年鎬

三方五湖の一つ水月湖は湖内に直接流れ込む大きな 河川 がなく湖底の堆積物がかき乱されることが無かった事、そして数千年に一度、近くの断層が動き、水月湖周辺が沈降し湖底に毎年堆積物が積もっても水深(現在45m)が保たれたこと、湖底に酸素が乏しく生物がほとんど生息しないこと、これらの条件が重なり厚さ平均0.7mmの年縞がありのまま残っていたことで、水月湖の年縞は「奇跡の堆積物」と呼ばれている。この年縞には湖の周辺の花粉、飛来した火山灰や黄砂、洪水の土砂も含まれている。

過去7万年の解明された主な事象

周辺の花粉の種類や量などから当時の気温や降水量が解明された。約7.3万年前から大規模の寒冷化(最終氷期)始まる。氷期の最寒冷期は約2.5万年~1.6万年前、気温が年平均7~8℃も下がり海水面は現在よりも130メートル低かったと推測されている。その後、温暖期に向かう中、急激な寒の戻りが12900年前に起き、12000年前位から暖かく安定した時代が13世紀頃まで続き、その後14世紀~19世紀は太陽活動の低下により小氷期になっている。西暦1760年以降化石燃料の大量消費時代となり、自然な流れとは違う温暖化が進行している。一方、火山灰の分析で約6万年前鳥取県大山の噴火の火山灰、30078年±48年前に姶良カルデラの火山灰、7253年±23年前鬼界カルデラの火山灰がが年鎬に含まれ火山活動が活発だった事が分かった。

地球温暖化

自然の周期的には「氷期の始まり」にいつ突入してもおかしくないと考えられます(実際、北半球への日射量が小さい時期を迎えています)。しかし、これまでの人間活動によって、現在の大気中の温室効果ガス濃度は非常に高いため「氷期の始まり」が自然の周期よりも遅れている、と考えられている。今、温室効果ガスの排出を0にしても、大気中に残る温室効果ガスの影響で、今後5万年は「氷期の始まり」は起こらないと予測され、パリ協定の内容で2050年カーボンフリーを実現したとしても「氷期の始まり」は10万年程度遅れるとされている。

年鎬博物館訪問で更なる温室効果ガス削減の取組を加速させる必要があると感じ、またこの水月湖が生物が生存できない環境下にあったのは、数千年に一度発生する大規模な地震で沈降したからと言われている。近くに原子力発電所が点在している。個人的には非常に問題だと捉えています。

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