化石燃料を燃焼させ、その熱で水を熱し蒸気タービンを回し発電する、いわゆる火力発電。日本では2021年度72.9%が化石燃料由来の電気。2050年地球温暖化ガス排出0に向かって再生可能エネルギーの普及が待たれる中、地産地消、自家発電自家消費にバイナリー発電がもっと普及しても良いのではと考えます。
バイナリー発電とは
火力発電は熱で水を蒸気にしタービンを回して発電させる。バイナリー発電は、沸点の低い媒体(アンモニア水やペンタン、代替フロンなど)を沸騰させ、蒸気タービンを回し発電する。地下から高温の水蒸気が噴出し直接蒸気タービンを回し発電出来れば良いが、なかなか安定的に高温の蒸気が噴出している場所がない。その為地熱発電では、ある程度高温のガスや水蒸気で沸点の低い媒体(アンモニア水やペンタン、代替フロンなど)を温め沸騰させ蒸気タービンを回し発電している。沸点の低い媒体は地下水や流水などで冷やし液化して再び沸騰させて循環させる為、コスト的にも環境的にも負担、負荷が少ないと言える。
地熱発電以外にも
前項で地熱発電はバイナリー発電で行っているとしたが、他にも様々な場所で利用可能と考えます。いくつか具体例を挙げると、熱を発生させる工場関係、温泉施設、乾燥機、焼却施設など、様々な施設で取り組みは可能。
普及への弊害
熱が存在する場所で利用価値があるバイナリー発電ですが、地熱発電は熱源が地下のエネルギーで、一切CO2は排出しない。その為再生可能エネルギーとして認められているが、例えば工場で化石燃料を燃やした熱を利用したバイナリー発電は、熱源がCO2を排出しているので、再生可能エネルギーとは認められない。となれば、国や地方自治体は、再生可能エネルギーではないものに積極的な助成が出来ない。その為、発電施設建設のコストを考えると、採算の問題で普及されてないのではと考える。
多くのメリット
バイナリー発電は、自然界に存在している温水・熱水を利用して発電するため、CO2などの温室効果ガスの排出が少ない。昼夜も天候も問わず安定して電力供給できる。小規模の設備でも能力を十分に発揮できる為、温泉施設などで活用可能で、地産地消の電力確保が可能。
再生可能エネルギーとのコラボ
まだ、実証実験等が行われているとの情報は無いが、例えばバイオマス発電所で得られた廃熱を利用し、バイナリー発電を組み合わせれば、同じ施設内で2か所の発電が可能ではないかと考えます。再生可能エネルギーであるバイオマス発電の熱源でバイナリー発電するので地熱発電以外で、バイナリー発電が再生可能エネルギーとして認められるのではと考えます。今後関係機関に打診してみたいと思います。