【私たちの電気代の中の1,000円】
再エネ賦課金はどこへ行く? FIT・FIP制度と市民ができること
電気料金の明細をよく見ると、こんな項目があります。
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」
一般家庭では、おおよそ 月1,000円前後。年間では約 12,000円 になります。
「これは税金なの?」
「誰のためのお金?」
そう感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
実はこのお金、私たち全員が再生可能エネルギーの普及を支える仕組みとして使われています。
今日はこの仕組みを、市民の目線で考えてみたいと思います。
なぜ再エネ賦課金ができたのか
2011年、日本は大きなエネルギー転換点を迎えました。
それが東日本大震災です。
原子力発電の停止により、日本は
- エネルギーの多くを輸入
- 化石燃料依存の増加
- 電力の安定供給
という問題に直面しました。
そこで政府(経済産業省)が導入したのがFIT制度(固定価格買取制度)です。
FIT制度とは?
簡単に言うと
「再生可能エネルギーで作った電気を、一定価格で買い取ります」
という制度です。
例えば
- 太陽光
- 風力
- 小水力
- バイオマス
などで作られた電気を、電力会社が買い取ります。
その「価格保証」に必要なお金を、
電気を使う私たち全員で少しずつ負担しているのです。
それが再エネ賦課金です。
賦課金はどのように使われるのか
私たちの電気代の中の賦課金は、主に次の用途に使われています。
① 再生可能エネルギー発電所の電力買い取り
② FIT制度で決められた価格との差額補填
③ 再エネ電力の安定的な導入支援
つまり
私たちの電気代が、日本の再エネ発電所を支えている
という構図です。
新しい制度「FIP」
2022年から、日本の制度は少し変わりました。
それがFIP制度(フィードインプレミアム)です。
FIPでは、再エネ電力は市場で売られます。
売電先は日本卸電力取引所です。
そして
市場価格+補助 という形で収益が決まります。
つまり
再エネを“保護する制度”から
“市場で競争する制度”へ
少しずつ移行しているのです。
市民が理解することの意味
ここで重要なのは、この制度の原資は私たちの電気代という点です。
つまり私たちは
- 負担者であり
- 投資者であり
- 監視者
でもあります。
もし
- 環境破壊型のメガソーラー
- 地域に利益が還元されない発電所
- 不透明な補助金利用
があるならば、
市民が関心を持つこと自体が
制度の健全性を守る力になります。
再エネは「大企業のもの」なのか?
ここで多くの人が思うことがあります。
「結局、大企業が得しているのでは?」
確かに、大規模な発電所は企業投資が中心です。
しかし本来、
再生可能エネルギーは
地域分散型エネルギーです。
つまり
本来は市民も参加できるエネルギー
なのです。
市民が再エネの恩恵を受ける方法
実は、個人でも再エネの恩恵を受ける方法があります。
例えば次のような取り組みです。
① 屋根太陽光+自家消費
家庭の太陽光発電は、
売電よりも
自家消費
の価値が高くなっています。
理由はシンプルです。
電気代
30円/kWh
売電価格
10〜15円/kWh
つまり
発電した電気を自分で使った方が得
なのです。
② 地域共同発電
最近注目されているのが
市民共同発電
です。
地域の屋根や土地に太陽光を設置し、
- 市民が出資
- 地域で電力利用
- 利益を地域還元
という仕組みです。
ヨーロッパでは広く普及しています。
③ 小水力など地域エネルギー
日本には
- 農業用水
- 山間の水路
- 河川
など、
小さなエネルギー資源が多くあります。
こうした地域資源を使う
小水力発電は、
地域が主体になれる再エネの一つです。
再エネ賦課金を「自分ごと」に
毎月の1,000円。
それはただの負担ではなく
日本のエネルギーの未来への投資
とも言えます。
しかし同時に
そのお金が
- どこに使われ
- 誰が利益を得て
- 地域に何を残すのか
を知ることも大切です。
リサエネが考えるこれから
再生可能エネルギーは
「遠くの発電所」ではなく
- 地域で発電し
- 地域で使い
- 地域に利益を残す
そんな仕組みが理想だと考えています。
再エネ賦課金の1,000円が
地域の未来をつくるお金
になるよう、
私たち一人ひとりが
エネルギーに関心を持つことが重要なのです。
まとめ
✔ 再エネ賦課金は再エネ普及の原資
✔ FITからFIPへ制度移行中
✔ 市民は制度の負担者であり監視者
✔ 個人も再エネ参加が可能
再生可能エネルギーは
「誰かのビジネス」ではなく
私たちの社会インフラ
です。
まずは
電気料金の明細を見ることから
エネルギーの未来を考えてみませんか。
