地球温暖化(地球沸騰化)の影響か熱帯性低気圧が日本近海で発生。発達し台風となる事も。先週関東を襲った台風7号も日本近海で発生。高い海水温域を北上したため急発達。関東に上陸する最強の台風とも言われ、JR新幹線など計画運休をし、お盆の利用者に多くの影響を与えた。台風も恐ろしいが、台風とならない熱帯性低気圧も非常に大きな災害をもたらす。
台風にならない熱帯性低気圧
台風となる定義は「最大風速が約17m/s」となる事が条件。各マスコミも台風となる又は可能性が高くなり警戒の為、報道を開始する。以前台風とならず警戒報道も殆どなく、大きな災害をもたらしたのが、2000年9月11日~12日の東海豪雨である。数日前から太平洋上をゆっくりと北上する熱帯性低気圧の雲の塊が在ったが、台風の様に渦が無く、風速も早くないので台風として警戒する事も無かったが、時間雨量100㎜の雨が数時間降り続いた結果、一級河川の庄内川堤防が決壊するなど、大きな浸水被害をもたらした。実は線状降水帯よりも、この熱帯性低気圧の塊がもたらす雨量の方が多くなる様な気がする。何故か、線状降水帯は積乱雲の塊が次々と列をなして同じような所に降雨がある。範囲は限定的でもあるし、風向きによっては短時間で移動をする場合が多い。しかし熱帯性の低気圧の塊は動きがゆっくりで、豊富に蓄えられた水蒸気を陸上で長時間に渡り雨を降らせる。土砂降りの状態が長引く恐れがある。
現在の衛星画像を見ると
気象庁ホームページより抜粋した19日0時の衛星画像
台風9号の進路を報道し始めているが、19日0時の衛星画像を見ると、台湾の東側の大きな雲の塊が台風9号となる。一方九州・四国沖の雲の塊は熱帯性低気圧であるが、これが厄介かも
気象庁ホームページより抜粋した19日15時の衛星画像
既に九州・四国に熱帯性低気圧の雲がかかっている。今後数時間は豪雨に注意が必要。
天気予報の情報だけではなく
天気予報は参考にするのは当たり前だが、自分自身でも防災の観点から、日頃より様々な気象データを参考に気象予報をしてみるのも良いのでは。
四国地方の山間地の南西側の斜面に近い方々や流域河川の近くの方は今夜まで、土砂災害、河川の氾濫にお気を付けください。
正しい報道をお願いしたい
あるテレビ局が「今日未明に発生した台風9号の影響で大気の状態が非常に不安定になってます。特に関東では夜にかけてゲリラ雷雨の恐れがあります」と冒頭でコメント。台湾の東海上で発生し風速20メートルも満たない台風が2000キロ近く離れた関東に影響を及ぼすなんてどう考えてもおかしい。報道機関も気象予報士を抱え、より正確に気象庁の発表するデータに基づき気象予報をしているはずである。非常に残念。因みに私がコメントを出すとすれば「今朝未明に台風9号が台湾の東海上で発生しました。今後北寄りに進み朝鮮半島の西海上へとあまり発達せず進む見込みです。一方関東では台風7号が通り過ぎ、昨日は好天でしたが、上空にやや冷たい空気を引き寄せ、そこに太平洋高気圧の縁を回って南西から湿った空気が流れ込む影響で、大気の状態が非常に不安定となり、各地でゲリラ豪雨となる可能性があります。