猛暑・干ばつ・長雨・豪雨…異例だらけだった今年の夏を気象から振り返る

リサエネおじさんのつぶやき

「今年は秋の訪れが少し早いな」と感じていたら、いつの間にかどこからか金木犀(キンモクセイ)の甘い香りが漂う季節になりました。季節の移ろいの早さに驚かされますが、思えば今年の夏は気象の観点からも「異例」という言葉がぴったりの夏でした。

今回は、今年の夏の天気を気象のメカニズムから振り返り、その原因を探ってみたいと思います。

1. 東風がもたらした「水がめの危機」と異例の台風ルート

今年の夏の大きな特徴のひとつが、日本列島付近に吹き続けた東寄りの風でした。

この東風(貿易風の影響)により、東側に陸地や山岳地帯を抱える地域では極端な少雨に見舞われました。山によって湿った風が遮られた地域では「水がめ」となるダムが干上がり、取水制限が懸念されたところもあったほどです。

さらに、通常なら南西から北上してくるはずの台風が東から上陸するという珍しいルートを辿ったのも、この貿易風が日本南部にまで強く影響を与えていた証拠と言えます。

2. 千葉を中心とした「100ミリ超の激甚豪雨」と記録的な長雨

夏の後半になると、今度は太平洋高気圧の縁を回って流れ込む「暖かく湿った空気」が猛威を振るいました。

太平洋側に次々と発達した積乱雲が発生し、千葉県をはじめとする地域では1時間雨量が100ミリを超えるような激しい大雨に。街中では内水氾濫が発生し、河川の越水(氾濫)による浸水被害が相次ぎました。

この湿った空気の連続的な流入は、実に約1か月間も続きました。その結果、各地で日照不足や連続降雨日数の記録が更新されるなど、農作物や日常生活にも大きな影響を落としました。

3. なぜ?背景にある「スーパーエルニーニョ」と「地球温暖化」

こうした局端な晴雨や変則的な気象の背景には、極めて複雑に絡み合った地球環境の変化があります。

メディアでも報道されていた通り、海面水温が異常に高くなる「スーパーエルニーニョ現象」と、着実に進行する「地球温暖化」が大きな要因として考えられています。海水温の上昇によって大気中に供給される水蒸気の量が飛躍的に増え、ひとたび雨雲が発達すると「線状降水帯」や「ゲリラ豪雨」のような極端な現象を引き起こしやすくなっているのです。

4. 9月後半からの偏西風蛇行と秋の訪れ

季節が戻り、9月後半になると状況が変わります。それまで北寄りを流れていた偏西風が大きく南下(蛇行)し始めました。

秋の深まりとともに台風の発生・北上は相次ぎましたが、この南下した偏西風に乗って東へ流されたため、日本本土への直接的な影響は限定的となりました。

この偏西風の動きこそが、今年の夏の「突然の終わり」と「早い秋の訪れ」、そして冒頭の金木犀の香りに繋がっているのです。

おわりに

「暑すぎる夏」から「急な長雨」、そして「早めの秋」へ。 地球温暖化や海洋変動が現実のものとして私たちの暮らしに影響を与えていることを、肌で実感した夏でした。

急速に季節が進み、朝晩は冷え込む日も増えてきました。体調を崩しやすい時期ですので、金木犀の香りに癒やされつつ、どうぞ暖かくしてお過ごしください。

次回、暑かった夏の「エネルギー」を冬の「熱源」に変えられないか考察。

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