アンモニアを燃料とした発電

最新のエネルギー事情

アンモニア(NH3)は、燃焼させても水素同様CO2排出がないため、注目を浴びている燃料。

アンモニアの特長

アンモニアは常温では無色透明な気体だが強い刺激臭がある。昔からアンモニアは肥料として利用されている(世界での利用割合8割)大気汚染物質の還元剤や化学製品の基礎材料として残りの2割利用。燃料としてのアンモニアは現在は利用されていない。

燃料アンモニアに期待されるのは

アンモニアは、上述のように燃焼時CO2排出がない。すでにアンモニアは輸送、備蓄等のインフラが整っているため、コスト面、安全面で水素よりも優位。燃焼方法はまだ確立していないが次の方法で研究。

混焼・・・石炭火力発電に20%アンモニアを混ぜて燃焼させる。

専焼・・・アンモニア100%で燃焼させる。

期待されているが故に研究・開発が進められている。

燃料アンモニアの課題

世界で生産されているアンモニアは農業用8割工業用2割が利用されいてる。燃料としてアンモニアを利用すれば世界的にアンモニアが不足する事になる。更に多くのアンモニアを合成するには水素が必要で多くがグレー水素からハーバー・ポッシュ法により合成されている。このためグレー水素生成時には大量のCO2を排出している。需要が高まればコストアップも懸念される。※水素を利用せずアンモニアを生成する技術は開発中。アンモニアを燃焼する際、光化学スモッグや酸性雨の原因となる。窒素酸化物を排出する為、その制御や抑制の対策が必要。

火力発電(化石燃料使用)の代替燃料である水素・アンモニアのまとめ

日本のエネルギー自給率2019年12.1%。国際情勢に左右され質・量の確保、価格の安定に問題が生ずる。海外依存でまかなっている化石燃料の代替となる水素・アンモニアはどうなのか?化石燃料以外から水素・アンモニアを生成するには、現段階では電気分解が主。その電気は化石燃料由来の火力発電。表現が良いかどうか…「イタチごっこ」である。発電時だけみればCO2排出は無く、表面的なカーボンフリーとなるが、その製造過程において多量のCO2が排出されることも私たちは理解しておく必要がある。非常に大きなエネルギーである水素・アンモニアだが、故に輸送・備蓄・利用時の安全・そのインフラ整備が必要。新たな発電施設からの新たな送電インフラも必要。CO2排出はしないがコスト面で国民の更なる負担になるのではと、懸念してるのは私だけでしょうか・・空気中からアンモニアを合成する技術も実現されようとしてます。今後、環境にも人々の懐にも優しいエネルギーの研究開発も進んでいます。期待しましょう。

愛知県碧南市で実証開始

JERAとIHIは2024年4月1日より、世界初となる大型商用石炭火力発電機における燃料アンモニア転換の大規模実証試験(熱量比20%)を、JERA碧南火力発電所(愛知県碧南市)で開始しました。本実証試験は、2024年6月まで実施する予定。

NEDO、JERAおよびIHIは、実証試験における課題の解決を図ることで、2025年3月までに、社会実装に向けた火力発電における燃料としてのアンモニア利用技術の確立を目指すとのこと

(JERAホームページ プレスリリースより抜粋)

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