毎日の様に、熊の被害が報道される。ちょっと考えてみた。
日本の熊の種類
今日の報道で興味深い内容が有ったので紹介します。日本の熊は2種類、ヒグマとツキノワグマだそうです。生息地はヒグマは北海道、ツキノワグマは本州と四国だそうです。くまモンで有名な熊本も含め九州の熊は絶滅してるそうです。
九州の熊が絶滅した訳
九州で野生の熊が最後に発見されたのは、1957年だそうです。その原因は人工林が多く、どんぐりの実がなるブナやナラの木が他の地域に比べて少ないからだそうです。人工林の割合は全国平均41%に比べ、九州の場合は福岡63%、佐賀67%、熊本61%、宮崎57%と非常に高い数値だそうです。その他人間による開発が原因とも
生息地がはっきり分かれた理由
北海道はヒグマ、本州四国はツキノワグマと生息域がはっきりと分かれているのは、氷河期には海水面が低く津軽海峡が氷に覆われていたため、ヒグマもツキノワグマも共存していたとされ、温暖化とともに寒い場所を好むヒグマが北の北海道に移動し、ツキノワグマが本州に留まったとされる。氷河期には津軽海峡が渡れたとされるのが興味深い。
ヒグマとツキノワグマの違い
ヒグマは大きい個体で体長2.8m、穴掘りが得意。ツキノワグマは1.8m、木登りが得意、その他の食べ物や雌の出産時期や性格は共通しているとのこと。
なぜ今年人との遭遇が多いのか
ヒグマもツキノワグマもこの時期、冬眠の準備の為、皮下脂肪を蓄える習性があり、植物性の脂肪分としてドングリを好んで食べ、美味しい柿なども食べる。ヒグマは生息地によっては、川を遡上する油ののったサケやマスなどを食べている。そのどれもが今年不作だそう。原因はわからないが、夏の暑さが長引き、秋雨の時期無く、一気に晩秋の冷え込みとなった事で、キノコ類を含め山の実りが少なかったのではと考える。サケマスは漁獲高が減り、定置網にはブリが大量とのこと。ヒグマにとって岸から離れて回遊するブリを獲ることは出来ず、遡上するサケマスの減少=食料不足となる。となれば、危険を侵してでも人間の生活圏に出てきて餌を探してると考えるのが妥当でしょう。
気象の影響か?
今年日本への台風の上陸は1、平均は3、発生数は平均25.1、11月4日現在16。温暖化なのに台風の発生数が少なくなる?過去の統計を見ると1969年19、1998年16、2010年14、そして2023年16+2位かな?エルニーニョにより台風の発生数が少なかったとも考えられる。台風の被害が少なくて良かったのですが、片側で大量の雨水を日本列島に運んでくれるのも台風。今年の秋は長雨もなく一気に寒気流入で朝晩冷え込んだが、日中は半袖で過ごす事も出来るくらい温かい(11月4日)。今後エルニーニョが続くと温かい冬となり降雪量が少なく予想される。スキー場がオープン出来なかったり、冬物の衣服や車の冬装備の販売が落ち込む事も想像できる。その先の春に心配事がある。それは水不足。豊かな水に支えられている日本列島の様々な産業に影響が出るし、山の恵みも少なくなる可能性もある。人間社会も大変だが、野生動物も大変。
人工林の間伐
九州で熊が絶滅した原因の一つに人工林の多さがある。本州にもかなりの割合で人工林が存在する。実を作らず、花粉を大量に飛ばす杉林の間伐をすすめ、雑木林を増やす事により、光合成で酸素を作る植物が増え、野生生物の生活圏が広がり食料が増える、そして山野が治水、保水の役割を果たし、安定的な水の確保にもつながる。間伐した材木は建物や家具に、利用が難しい物は、バイオマス発電や炭化により、CO2削減に寄与する方法で利用。
熊の出没のニュースから、日本の環境まで考えてみた。氷河期に津軽海峡が氷で覆われ熊が行き来できたって事をニュースで見て、地球温暖化と氷河期について調べたくなった。後日ブログで発表。