寒波襲来

気象オタク

西高東低の気圧配置で寒気を伴うと日本海側から北日本にかけて大雪となる。気象機関がこぞって注意を呼び掛けている。この時期の大雪で特に注意が必要な事をまとめてみた。

大雪予報の難しさ

日本列島は東西南北に長く、南北で寒暖差が激しく、東西で偏西風の影響で天気の移り変わりが大きい。低気圧の雨雪は全国的にその影響は進路により予報しやすいが、冬型の気圧配置(西高東低)では、風向きや寒気の流入により、降雨降雪量が大きく変化する。そして最も予報を難しくするのが、日本各地の山や山脈が有るためである。

なぜ大雪予報が難しいか

西高東低とは西に高気圧、東に低気圧の気圧配置だが、高気圧から低気圧に向かって風が吹く、高気圧と低気圧の気圧の差が大きければ大きい程、風が強く吹く。この時期日本の北東海上で低気圧が発達すると、大陸の冷たい空気を持った高気圧の空気が流れ込む。この冷たい空気の流れが日本海を経て日本の陸地にぶつかり雨や雪を降らせる。陸側の山や山脈にぶつかる風の向きで降雨降雪量が変化し、地域により大きくその量が違う事で予報が難しい。「山沿いでは」「海沿いでは」「ところにより」とか表現でしか公共の予報は出来ない。

今回の大雪に関する注意

17日から18日にかけ寒気の流入により大雪が予報されている。日本海の海水温がまだ高い為、上空と海水面の温度差で大量の水分を貯め込んだ雨雪雲が、日本列島にぶつかる。その為、西日本から北日本の日本海側では湿った雪の積雪量が多くなる。雪崩(降り始めた雪は地熱で溶け、その上に重たい雪が乗るので地面と雪の間に水の粒ができるため、全層雪崩に注意)、倒木(重たい雪が葉や幹に積り耐えられなくなる)、家屋の倒壊(雪の重みに耐えられなくなる)、電線などへの着雪(水分が多いので電線にへばり付き重みに耐えられなくなり断線する事も)、道路の轍で車の立ち往生(水分が多いので重たい車が通ると積雪が押しつぶされる場所と押しつぶされない場所の差が大きくなり車高の低い車の腹が当たり身動きできなくなる)このように人命に関わる災害となる可能性があり注意が必要。一方北日本では低温で強烈な風が予想され、路面凍結や積雪による上記災害に加え、ホワイトアウト(辺り一面真っ白になり方向を失う程の風雪)ブリザード(地吹雪と言われ降雪と地面に積もった雪も舞い上げるほどの強風状態)外で作業される人やレジャーを予定している人は、視界不良や低体温により身動きが出来ない可能性があり、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている。

大雪の度に繰り返される訃報

積雪による家屋の倒壊。裏山からの雪崩や土砂崩れによる家屋の倒壊。大雪の影響で車が立ち往生し、エンジンを掛けたままで仮眠などする事で、排気口が雪で埋まり、排出一酸化炭素が車内に充満し車内の人が死亡する。燃料不足により暖が取れず、低体温で死亡。昨年は自宅が停電の為、一人で車にエンジンをかけ暖をとっていた若い女性が死亡との悲報もあった。私の考えでは、自宅が停電でも布団などに包まっていれば凍死する事は無いと思うが、一人留守番の寂しさにスマホの電源が不足し車にエンジンをかけ充電をしてるうちに一酸化炭素中毒で死亡したのかもと考えてしまった。

備えるのは

防災時の備えは当たり前に認知されているが、食料や水は当たり前に準備されてても、電気の確保は難しい。EV車が普及すれば、停電時にも家庭電源に使える。そもそもEV車の電池が渋滞時間が長引き電池切れとなれば、急激に室内の温度が下がり耐えられなくなる可能性がある。そんな時もPHEV車はエンジンをかけ駆動ではなく充電に充てることが出来るので強みがあるが、一酸化炭素中毒には要注意。キャンプや車中泊などの利用で普及が進んでいるポータブルバッテリーも高価ではあるが、災害時には有難い商品。電力会社の送電に頼らない再生可能エネルギーを家庭に備えると災害時には有効。しかし太陽光発電パネルに積雪すれば晴れても発電しないし、降雪時は太陽光があたらない為、発電効率は悪い。小風力や小水力などの再生可能エネルギーに合わせ、容量の大きな蓄電池の設置をお勧めしたい。

クリスマス前に

20日から23日頃にも西高東低の冬型の気圧配置となり大雪の予報が出ている。20日には本州の南岸を低気圧が進む為、日本海側に低気圧が発生せず、冷たい空気が上空に残っていれば、太平側や内陸部の広範囲に降雪の可能性があり、特に関東では冷たい北東の風が入ると大雪となる事が有る。これは南岸低気圧の進路と日本海側での低気圧発生有無で雨になるか雪になるか、気象予報士泣かせの気象条件になる。直前の天気予報に注意が必要。車での移動を考えている方は事前に冬用タイヤの交換やチェーンの備えをしておいた方が良いのでは。

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