防災の日9月1日

1923年9月1日関東大震災(死者約10万5千)を教訓に、1960年に「防災の日」を制定。 目的は、日頃から台風、高潮、津波、地震等の認識を深め対処する心構えや防災グッズなどを準備するために制定されました。

台風

そもそも台風とは、海水温の高い地域で次々と上昇気流がおこり積乱雲となる。その積乱雲が集まり、地球の自転の影響で北半球では反時計回りの渦ができる。その渦が周りで発生する積乱雲を次々と取込み更に渦が大きくなって周辺風速が、およそ17メートル以上となれば「台風」となる。メディアが 「台風〇〇号が発生しました。風速〇〇メートル、最大風速〇〇メートル、中心気圧は〇〇〇ヘクトパスカルで、暴風域を伴い北西に進んでいます。今後発達し非常に大きく、強い勢力となる見込みです。予想進路にあたる〇〇方面は注意が必要です」

解説

台風〇〇号・・・赤道より北で東経180度より西側の北西太平洋及び南シナ海で、毎年1月1日より発生した順番で気象庁が認めたもの

風速   ・・・地上10メートルにおける10分間の平均風速のこと

最大風速 ・・・上記10分間の風速の最大値を最大風速と呼び、瞬間的な風速の最大値を、最大瞬間風速と呼ぶ。

中心気圧 ・・・気圧とは空気の圧力で地球の平均は1013ヘクトパスカル。台風は回転しながら空気を上昇させていくので、気圧が低くなる。中心気圧が低ければ低いほど、空気を吸寄せる力が強くなり、周辺の風速が大きくなることが想像できる。

暴風域  ・・・平均風速が25メートル/1秒(m/s) 以上の風が吹いている範囲

大きさ  ・・・風速15m/s以上の半径が大型は500km以上800km未満。超大型は800km以上で表現される

勢力   ・・・強い(33m/s以上44m/s未満) 非常に強い(44m/s以上54m/s未満)猛烈な(54m/s以上)で表現される

        

伊勢湾台風

伊勢湾台風 1959年 (昭和34年) 9月26日 ( 土曜日 )台風第15。死者・行方不明者・・5,098人 負傷者38,921人 住家損壊・流失・・833,965 浸水家屋・・363,611 日本史上最も被害が大きかった台風とされている。26日9時には潮岬の南南西400km、その時点中心気圧920mb、最大風速60m/s、暴風域は東側400km、西側300kmという猛烈で超大型の台風であった。上陸時中心気圧が929hPaと猛烈な勢力で和歌山県潮岬に上陸。その後北北西に毎時60 – 70kmで紀伊半島を縦断し、中央高地を経て27日0時過ぎに日本海に抜けた。その頃には毎時90kmにも達している。伊勢湾の最北端名古屋港と、この台風の最接近距離は約100km以上だが、甚大な被害を伊勢湾周辺でもたらしたので、伊勢湾台風と名付けられる

被害拡大の原因

キーワード:暴風域は東側400km、西側300km929hPa毎時60 – 70km90km

被害拡大要因1・・暴風域の大きさ。伊勢湾から100kmほど離れた進路だったが、台風の暴風域が、東側400kmと大きく、南向きにひらけている伊勢湾に、広範囲から猛烈な南風を送り込み「吹き寄せ効果」が発生。また、台風付近では目まぐるしく風向きが変わるが、少し台風から距離のあった伊勢湾では南寄りの風が長時間だったと想像できる、かつ北に狭まった伊勢湾の地形も被害拡大の大きな要因

被害拡大要因2・・気圧の低さ。伊勢湾内の三重県津市では 26日20時37分944.4mbの記録がある。         気圧が1hPa下がると、潮位は約1cm上昇すると言われ、仮に1000hPaの時と比べ、津市では55cmほど「吸い上げ効果」で海面が上昇してたものと考える。

被害拡大要因3・・台風の進行速度。台風の北上速度が高速道路並みで、南から進行方向に向かって台風自身の風に加え移動速度が加わって強風になる(危険半円)その中に伊勢湾は長時間さらされた。 これらの要因で伊勢湾北部の名古屋港などで、観測史上最大の3.55mの高潮が発生し、海水が平野部に流入し広い範囲で浸水した。被害が甚大となったその他の原因として、夜間の氾濫だったこと、貯木場の丸太が流れ出し、家屋の被害を大きくしたと報告されている。         

防災 台風編

気象観測の充実とAIなどの分析で、台風の現状と今後を精度高く予報出来るようになっているはずだか…残念ながら人的被害が毎年のように繰り返されている。発表される気象予報と防災報道をしっかり確認し行動しなければならないが、それだけでなく多くの人が台風の特長を理解し予報だけに頼ることなく、報道される気象データを注視し、住んでる場所の地形を理解し、個人や地域で判断し行動しなければならない。気象衛星画像、アメダス、風力風向などスマホで確認し防災に役立てたいものです。

地球温暖化と台風

温暖化の影響で海面温度が上昇し活発な空気の対流がおこる結果、熱帯低気圧の発生が多くなり、発達すれば台風となる、またその勢力を増す傾向にある。日本近海でも海面温度が高い傾向の為、勢力を維持したまま日本に影響を及ぼす。また、日本近海で発生する熱帯低気圧もある。温暖化の影響で海面上昇が更に進めば、高潮のリスクが大きくなる。

更に進めた防災

台風の発生数や勢力の影響を与える地球温暖化。温暖化がさらに進まないように2050年カーボンニュートラルを実現しましょう。これも長期的に見た防災と考えます。台風が影響し大規模な停電が発生することも考えられ、電気の地産地消、自家発電自家使用も防災の一つ。開発で失われた山林の保水力を取り戻すための施策も防災の一つ。防災上危険地域の居住者の移築も防災の一つ。

コンクリートで固めること=防災ではない※今日のつぶやき

タイトルとURLをコピーしました